開発の背景と課題
ROLL to ROLL方式では、ウェブを搬送する際に張力ムラやシワが発生しやすく、製品品質の低下が長年の課題とされてきました。
近年の製造現場では「薄膜化」が進み、高機能なシート材料(フィルム・金属箔など)に対して強い張力をかけられないケースが増えています。
シワ対策でよく使用される「エキスパンダーロール」は通常のストレートロールに比べて始動トルクが大きいため、低張力の環境では連れ回りがうまくいかず基材がスリップすることにより、シワの抑制・除去効果が低下します。さらに、基材とロール表面との間に摩擦が生じ、ゴムの摩耗や基材へのキズが発生し、製品品質に悪影響を及ぼす可能性があります。
従来品の改良
「エキスパンダーロール」は基本的に連れ回りを前提としていますが、連れ回りが困難な場合には駆動装置を取り付けることで対応可能です。しかし、設置スペースなどの制約により、駆動装置を取り付けられない場合や、お客様で駆動装置を使用したくないというケースもあります。
こうした課題に対応するため、当社では標準品に比べて回転抵抗を低減した「低トルクエキスパンダーロール」を開発し、多くのお客様から高い評価をいただいてきました。
さらに、フィルムや金属箔のさらなる薄膜化に伴い、より低張力での搬送が求められるようになっています。このような市場の動向を踏まえ、当社では「低トルクエキスパンダーロール」に比べてさらに回転抵抗を低減することを目指した「極低トルクエキスパンダーロール」の開発を行いました。
長年培ってきた技術とノウハウを結集し、「極低トルクエキスパンダーロール」の開発に成功しました。内部部品の材質変更と、回転抵抗の低いベアリングの採用により、わずかな力で回転可能となり、低張力環境下でもスムーズな搬送を実現。これにより、基材にかかるストレスを大幅に軽減できることが期待されます。
製品仕様
製品名 |
極低トルク |
ロール径(mm) |
φ60~φ125 |
面長(mm) |
500~2500 |
使用速度(m/min) |
200以下 |
備考 |
上記サイズ以外でも製作可能な場合がございます。 |
「極低トルクエキスパンダーロール」に関するご質問やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
![]() エキスパンダーロール 追加オプション |
![]() マイクロ溝オプション |
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